[就職情報]アフターコロナ時代、日本IT採用市場の展望

2021/04/09



今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって全世界中の人々が 「STAY HOME」 生活を送るようになり、個人はもちろん企業も多くの変化を迎えています。特に日本の場合、昨年から行っている 「働き方改革」 により、更に変化した社会を迎えていると思います。ここでは、アフターコロナ時代における日本のIT採用市場の展望について見ていきます。



INDEX


1. 日本企業に吹く新しいトレンド

2. 転職人気企業 TOP 10

3. 日本企業が直面した採用課題

4. ITエンジニアに求められるスキル

5. 日本のIT採用市場の展望






1. 日本企業に吹く新しいトレンド

~ 新造語·流行語で見るアフターコロナ時代の新しい勤務環境 ~




ワーケーション

ワーケーション(Work-ation)は、「仕事(work)」 と 「休暇(vacation)」 を組み合わせた言葉で、観光地やリゾート地で仕事をしながら同時に休暇を楽しむ新しい勤労形態です。自宅で仕事をする 「自宅勤務」 とは区別される概念ですが、日本では近年、「働き方改革」 と 「コロナ禍の長期化」 によって働き方が様々な形に変化することにより、ワーケーションが新しい日常を奨励する一環として位置付けられています。

ワーケーションはうるさい都会から離れ、通勤ラッシュから解放されるだけではなく、豊かな自然と落ち着いた雰囲気の中で仕事をすることで、創造性と生産性が高まるというメリットがあります。また、観光地やリゾート地がある地域では、人口増加と経済活性化の効果が期待されています。

日本ではワーケーションによる地域活性化の期待から、2019年11月に 「ワーケーション自治体協議会」 を設立しました。また、コロナ禍によって沈滞された経済を活性化させるための対策として、2020年4月30日に成立した補正予算にワーケーション推進予算を含めるなど政策的にもワーケーションを奨励しています。



Go To トラベル

Go To トラベルは、コロナ禍によって打撃が大きい観光業界を活性化させるため、日本政府が行う日本国内観光奨励事業で、Go To キャンペーン*の一環です。 キャンペーン期間中、指定された旅行会社から旅行商品を購入したり、インターネットのホテル予約サイトを通じて宿泊を予約した利用者に金額の一部を支援し、旅行先の飲食店やお土産店で利用できるクーポンを発行します。


* Go To キャンペーンは、コロナ禍で落ち込んだ経済を活性化させるために日本政府が行う経済政策で、4つで構成されています。

① Go  To トラベル:国内旅行費用を支援する観光キャンペーン

② Go To EAT:飲食店と農林漁業者を応援するためのキャンペーン

③ Go To イベント:イベントなどのチケット代を補助するエンターテイメントキャンペーン

④ Go To 商店街:地域の商店街を振興するためのキャンペーン



リモートワーク

リモートワーク(Remote work)はオフィスに出社することなく、会社以外の場所で業務を行うことで、在宅勤務より広い意味を持ちます。働く時間と場所を個人に任せるため、従業員は通勤時間を削減することができ、業務の効率性と生産性を高めるというメリットがあります。また企業側にはコストの削減はもちろん、自由に働くことを望む優秀な人材を確保できるというメリットがあります。

日本では現在、ローソン、リクルートホールディングス、東京急行電鉄など、多くの企業がリモートワークを導入しており、コロナ禍の長期化に伴い、リモートワークの導入率は増加傾向にありあす。



働き方改革

日本は2008年から人口の減少が続いていて、人口減少による労働力の不足が深刻な状況にあります。労働力不足の問題を解決するためには、出生率を上げたり、労働力の確報、または労働生産性の向上が必要ですが、そのために日本政府は2019年4月から「働き方改革」という政策を行っています。

具体的な対策としては、1)非正規雇用の待遇差改善、2)長時間労働の是正、3)柔軟な働き方ができる環境づくり、4)ダイバーシティの推進、5)賃金引上げと労働生産性向上、6)再就職支援と人材育成、7)ハラスメント防止対策などがあります。



複業

「副業」 ではなく 「複業」 で、比較的に近年に出てきた言葉です。「働き方改革」 が話題となった2018年度から注目を集めています。文字通り、複数の仕事を持つという意味で、本業・副業の順序をつけずに、全てが本業という考え方です。 私たちが一般的に知っている 「副業」 は本業があって、追加的な収入を得るために別の仕事をすることをいいます。「副業」 が収入を得るために働く傾向がある一方、「複業」 は働き方の自由を追及したり、自分の経験やキャリアのために働く傾向があるのが特徴です。






2. 転職人気企業 TOP 10

~ 1位はアマゾンジャパン! TOP 10の半分がIT・ソフトウェア業界 ~




日本の転職サイト 「Re就活」 で転職人気企業についてアンケートを行った結果、コロナ禍の以前と以降に目立つ順位の変動がありました。


日本の20代が選んだ転職人気企業 TOP 10

コロナ後 (2020.08~2020.10)コロナ前 (2019.12~2020.02)
1グーグルアマゾンジャパン
2伊藤忠商事グーグル
3アマゾンジャパン楽天
4NTTデータ任天堂
5LINE日本マイクロソフト
6エイベックス伊藤忠商事
7KADOKAWAKADOKAWA
8三菱商事LINE
9楽天花王
10H.I.S資生堂
調査対象:「Re就活」 20代会員(コロナ後 1,217名、コロナ前 959名 回答)

※ 出典:20代が選んだ「転職人気企業ランキング」2020  <コロナ前後比較>


1位はアマゾンジャパン

アマゾンジャパンはコロナ前は3位だったのが、コロナ後には1位にラックアップしました。外出自粛に伴い通販サイトの利用が急増したことが影響したとみられます。


2位はグーグル、3位は楽天で、IT・ソフトウェア業界がTOP 3を独占しており、TOP 10の半分をIT・ソフトウェア業界が占めています。 

特に、日本マイクロソフトは5位に急上昇。コロナ禍でリモートワークを導入する企業によるクラウドサービスの需要が増加したことが影響したと見らえます。






3. 日本企業が直面した採用課題

~ 相変わらず深刻な人材不足問題を抱えているIT業界 ~




2020年11月26日、グローバルリクルート会社 Robert  Walters  Japanは、「スキルミスマッチについての調査結果」 を発表しました。調査結果によると、アフターコロナ時代に人材採用に関して日本企業が直面した課題のいくつかを見つけることができます。



アフターコロナ時代、人材採用に関して日本企業が直面した課題

    ● アフターコロナ時代に採用ニーズが最も多い職種は営業とエンジニア・開発者

    ● 多くの企業が人材不足問題を抱えており、特にシニアスタッフとマネージャーに対する人材不足が深刻

    ● 経営環境の変化と市場の動向を素早く把握し、迅速かつ戦略的なビジネスを推進できる人材が必要

    ● リモート環境をチャンスに変える高いコミュニケーションスキルが必要

    ● 新たなビジネス環境と新たな課題への変革を進める問題解決力が必要



[ 採用中のポジション ]

    1位  影響 

    2位   エンジニア・開発者

    3位   会計・経理

    4位   マーケティング

    5位   人事

    6位   秘書・一般事務

    7位   購買・サプライチェーン

    8位   法務・リスク&コンプライアンス

    9位   販売員・サービススタッフ

   10位   翻訳・通訳


[ 特に人材不足が深刻な役職 ]

    1位   シニアスタッフ(主任)

    2位   マネージャー(課長)

    3位   ジュニアスタッフ、ディレクター(部長)

    4位   役員

    5位   研修生



[ 最も有効なソフトスキル ]

    1位   コミュニケーションスキル

    2位   問題解決力

    3位   チームワークの尊重

    4位   柔軟性

    5位   リーダーシップ



※ 参考:Robert  Walters  Japan 「スキルミスマッチングについての調査結果」






4. ITエンジニアに求められるスキル

~ アフターコロナ時代には他のスキルも重要! ~




コロナ前にはITエンジニアに技術力と経験を要求する場合が多く見られましたが、コロナ後にはコミュニケーションスキルとアウトプット力が加わると予想されます。


コミュニケーションスキル

コロナ禍で業務がリモートワークで行われるようになり、ITエンジニアにとってもコミュニケーションスキルがますます重要になりました。働く場所が異なるとしても、ITエンジニアの業務はチームで行われるため、コミュニケーションスキルは不可欠だと言えます。特にITエンジニアには、「業務に関する情報や進捗状況を適時に共有する」、「分からないところはきちんと質問する」 などのコミュニケーションスキルが求められます。


アウトプット力

もともとITエンジニアの業務は、成果で評価される業務であり、コロナ禍でリモートワークをする人の増加と伴い、アウトプット力がさらに重視されています。リモートワークをすることになると、今日はどういう仕事をしたとか、どんな成果を出したとか、自分をアピールする機会が減ってしまいます。だから自分がどれだけ働いて、どんな成果を出しているのかを正しく評価してもらうために、アウトプット力が必要になります。


コミュニケーションスキルやアウトプット力の他にも、アフターコロナ時代には自己管理力、適応力、技術力、自主力などが求められるでしょう。






5. アフターコロナ時代、日本のIT採用市場の展望

~ ひと言でまとめると、コロナ禍にもIT転職活動は活発! ~




今後、ITエンジニアの勤労形態はどのように変化するのか


■  コロナが終息してもリモートワークを導入する企業は増えていくと予想

コロナ禍の長期化により、多くの日本企業がリモートワークを導入していますが、この傾向は続くと見込まれています。東京都の 「テレワーク導入実態調査結果」 によると、2020年6月30日現在、東京都に所在する企業のリモートワーク導入率は約57%で、前年比2.3倍の増加となっています。日本が昨年から行っている 「働き方改革」 や、コロナ禍という 「危機管理」 の側面からでも、通勤時間の削減、育児や介護、非常時の事業維持など、リモートワーク導入の効果を実感しているという回答も多数ありました。また、リモートワークを維持・拡大すると回答した割合は約80%以上で、今後はコロナの終息にかまわず、リモートワークが一般的な働き方になる新しい時代が到来すると予想されています。


※ 参考:東京都 「テレワーク導入実態調査結果」


■  居住地を地方にしながら都会の企業で働くことも可能になる

リモートワークが可能な仕事環境が一般化になると、居住地に関係なく就職・転職活動が可能になるでしょう。リモートワークの導入でほとんどの企業がオンライン面接を導入していますが、面接を受けるために会社まで行く必要もないので、地方に住んでいても東京の企業に面接を受けることができます。それだけでなく、リモートワークに完全に切り替える企業も出てきているので、今後は居住地を地方に置きながら都会の企業で働くことも可能になるでしょう。



コロナ禍で変化した社会で、日本のIT採用市場はどのように変化するのか


■  経験とスキルが豊富なITエンジニアの採用が活発になる

IT業界もコロナの影響を受けて一時的に採用活動が停滞することはありましたが、IT業界は今後の成長可能性が高い分野であるだけに、企業の採用活動は比較的に活発な方です。 しかしリモートワークを導入する企業の増加に伴い、新入社員または未経験者の採用・育成には限界があり、新入社員・未経験者の採用は依然より減少すると見込まれます。一方、経験とスキルが豊富なITエンジニアに対する需要はますます高まると予想され、特にシニアスタッフに対する需要が高く、今後のIT業界は、転職市場がさらに活性化すると予想されます。


■  移動通信及びネットワーク分野における採用ニーズが増える

リモートワークの環境整備のために移動通信・ネットワーク環境を拡充する企業が増加しています。それに伴い、関連企業の採用活動が活発しています。 また情報セキュリティなどに対する需要も多く、アフターコロナ時代にはITプログラマーはもちろん、情報セキュリティエンジニア、システム管理者などへの採用ニーズがさらに多くなると予想されます。



コロナ後、日本の外国人採用の展望

10月30日、Persol総合研究所が発表した 「外国人雇用に関する企業意識および実態調査」 によると、すでに外国人を採用している企業では、コロナ後も外国人採用を拡大したいという意向が70%以上という結果が出ました。また、国内労働人口の減少と高齢化に伴う人手不足問題が継続しており、その対策として 「外国人採用及び活用強化」 が第1位に挙げられるなど、外国人採用について企業は積極的であることが分かります。日本の人手不足問題が深刻な状況であるので、外国人採用を検討する企業は今後も増えていくと思います。


※  参考:Persol総合研究所「外国人雇用に関する企業意識及び実態調査」



まとめると、

コロナ禍の長期化による最大の変化は、やはり企業のリモートワークの導入ですが、リモートワークが一般化すれば、居住地に関係なく国内はもちろん国外の企業で働くことが可能になるでしょう。 これはITエンジニアとしてより多くの経験とスキルを積むことができる良い機会となり、このために転職を目指すならば、時代によって変化する新しい技術を習得し続け、多様な変化に対応できる力をつけることが重要になります。






企業事例紹介

~ 様々な 「働き方」 で 「Work-Life Balance」 を実現している日本のIT企業 ~



事例1.株式会社ソニックガーデン:オフィス廃止

日本のソフトウェア開発会社である株式会社ソニックガーデンは、2016年をもってオフィスを廃止し、全社員にリモートワークを導入しました。 全社員がリモートワークができるよう、リモートワークに条件や回数に制限を設けず、フレックスで業務ができる環境が整っているのが特徴です。 

ソニックガーデンは、全国各地でリモートワークを行っている社員たちとの円滑なコミュニケーションを行うため、自社開発のバーチャルオフィスツール 「Remotty」 を利用しています。またリモートワークの普及のために、リモートワークを研究するメディア 「リモートワークラボ」 を運営しています。


-  企業ホームページ:https://www.sonicgarden.jp/



事例2.株式会社ミクシィ

株式会社MIXIは、コロナ禍の影響でマーブルワークスタイルを適用していますが、マーブルワークスタイルはリモートワークとオフィスワークが融合した形態で、出社を基本としていますが、リモートワークも可能なワークスタイルです。


株式会社MIXIもコロナ前は毎日出社するのが原則でしたが、コロナ禍をきっかけに週3回までリモートワークが可能になりました。 また、コアタイムを12時から15時までにすることで、社員は通勤ラッシュから解放され、育児や介護の両立もできるようになりました。


-  企業ホームページ:https://mixi.co.jp/

-  参考記事:https://ws.zxy.workcase1305/